「ヴォルス―路上から宇宙へ」@DIC川村記念美術館
9時半になっても開けてもらえないので目の前の警備員さんにひとりのお客さんがもう時間ですよねえと尋ねそうなんですけど鐘がねえ鳴らないんですよねえと返されみなが首を傾げながら腕時計に目をやったところで鐘が鳴る。写真作品の 《脚を噛む鶏》(Chicken biting its leg)、《卵...なんという驚き!》(Un oeuf..., quelle surprise!)が不気味でかわいく思わずパシャリ。ドライポイントの作品は前日知人に見せられた派手に雷の落ちたスマートフォンの画面を思い出させた。城之内元晴 《WOLS》の流れる小さな部屋で少しうとうとする。
イキウメ『天の敵』@東京芸術劇場シアターイース
飲血のシーンでふっと意識が遠のきそうになりぐっと堪える。平気な血と駄目な血の差が未だわからず。主人公の浜田信也さんは私の席からは玉木宏のように見えた。ヤクザ見習いで『ポーの一族』読者の大窪さんは似合いすぎすてきすぎ。自分が信じてやってきたことが誰かに認められて必要とされたらそりゃあ嬉しくてすべてを捧げたくなるかもしれないけどそれはその人への愛なのどうなの?たまにはビール飲んでジャンクフード食べてくだらないこと喋ってあー生きてる!って叫びたいし笑いたい。
吉田大八(作・演出)『クヒオ大佐の妻』@東京芸術劇場シアターウエス
初東西ハシゴ!岩井さん出演のこの機会に吉田大八の舞台をと。岩井さんの演じる今井くんほどよく気持ち悪くてよかったなあ。席が上手最前列だったので家の外側のドタバタがよく見えたのもよかった。クヒオ大佐は出てこず、どうしても堺雅人がちらつくけれど、これはまた映画とは別の話。信じていれば嘘はまことになるのかしら。吉田大八はもっと不在を描いたらいいと思う。星条旗よ永遠なれ。