二兎社『ザ・空気』@びわ湖ホール
1月にバスの遅延で見られずすぐにチケットを取った公演(大千秋楽!)をようやっと。宣伝に使われている大窪人衛さんの写真が良く、調べると宣伝写真の西村淳というひとはトニセンの『戸惑いの惑星』や戸塚くんの『Defiled』のそれも担当されていた。全編を通して漂う不穏な空気に忠実に寄り添う市来邦比古のストイックな音響、階を自由に行き来でき、ずらりと並ぶドアが我々の思考の引き出しのようにも見える大田創のスタイリッシュな美術、そのどちらもがシリアスな内容にありがちな必要以上の重々しさをすっかり排除し、傾きを支え、作品をぎゅっと引き締めていた。ラストでそうかこれはひとひとりひとりの物語でそもそも世界はひとりひとりのひとでできているものなあとつい感傷的になる。マリンちゃんの不気味な電話は永井愛の声を編集したものとアフタートークで知る。