もっと寒いとおもっていたのにぜんぜんあたたかいしまたファミレスのドリンクバーのマグカップが猫とか鳥とか描かれていて妙におしゃれかわいくてだってファミレスなのにと早朝からテンションあがる。映画も演劇も大好きだけれどやっぱり音楽からはにげられないなあといつもおもうなああ。ワタリウム美術館藤本壮介展「山のような建築 雲のような建築 森のような建築」をみる。オープニングセレモニーで藤本壮介がしゃべっている録画をみてそこではじめて藤本壮介をみたのだけど森とか山とかいう言葉をつかうことが危険だと自覚している彼の話や語り口調は大変魅力的で彼のつくった巣ではなく洞窟のような家に住んでみたいとおもった。住むためにつくるのではなくつくってみてから住むことを考えるという考え方が大変ユニークで、芸術家だなあとおもった。リビングやキッチンやバスルームを並べたらそれで巣はできあがるけど、そんな名前のついた部屋がなくたってひとはそこに住もうとするしまた住むことができるという原始的であり新しくもある発想がおもしろい。本の森にしてもそうだけど、とじているようでひろがっていて「心地よく迷う」ことのできる空間って図書館にぴったりすぎて恐れ入りました。ひとつの空間がそんなふうにひとがそこに存在することによってとじたりひらいたりはなれたりつながったりする。建築はひとと繋がっている。建築は建築家の芸術作品ではなくて、ひとのためにあるべきものであり、ひとのためにあるものが芸術となるのだなあ。あれっなんかよくわかんないけどまあいっか。とにかく藤本氏の作品には建築への愛がつよく感じられましたとさ。展覧会としても大変おもしろく、3Fの「建築がうまれるとき」は展示方法にも個々の作品や模型にも一言メモにもふつうに感動した。作品に手をふれちゃいけない揺らしちゃいけないわかっちゃいるけどむりー!な空間では作品のほうがぐいぐいとこちらへ押し寄せてくるかんじ。ムサビの図書館行きたいなー。迷いこみたい!すっかり満足して美術館をあとにし駅までの道の「パンと、エスプレッソと、」というおされパン屋でおされパンを買い食いして銀座へ出てギャラリー小柳で池田亮司をみる。ほとんど前にみたことあるやつやったような。でもやっぱり心地よいなあ。また大きなライヴやらないかなあ。そして清澄白河へむかいまだすこし時間があったので新しくできたぽい古本屋さんで淀川さんの本など買ってしまう。(淀川さんの本はひそかにあつめていたりする。)時間になったのでSNACへ行き開演を待つ。鈴木さんの曲はCD-Jをもちいたものでライヴで録音したものをCD-Jにかけてまたそれを録音してまたかけて録音して・・・というかんじ。尺は長め。音自体ももちろんおもしろいのだけど、鈴木さんとアシスタントさんが頷き合ったりしながら演奏をすすめる姿が大変愛らしくて音はギュインぎゅいん言うてるのになぜかほっこりする。(とか言ったらおこられそう!)終演後、かるく挨拶したのち恵比寿へでてガーデンシネマでデプレシャン『クリスマス・ストーリー』をみる。ほぼ満席だなんてまあ土曜の夜だし今ガーデンプレイスライトアップ超きれいやしでまああれなんですがそれでも普通に一時間前にチケット買って79番とかなんかすごい。(でも1月で休館だって。さみしいなあ。)開場までの時間を利用して久しぶりにつけめんを食べる。野菜たっぷり!で、映画はほんとうにおもしろかった。みんなみんな自分勝手ででもそれぞれがそれぞれなりに家族のことをいつも考えている。家族ってそんなものなのかもなあ、というわけで聖なる夜にバラバラだった家族がひとつになってよかったよかったハッピーエンド!というわたしの陳腐なおもいこみはみごとに裏切られました。なのになのになぜかとてーも愛おしく、わたしには兄弟がいないけど兄弟っていいな、こんな兄弟でもいないよりいたほうがいいな、追放されても兄弟は兄弟だもの、と兄弟がいるひと以上に兄弟のよさをこの150分間で知りました、たぶん。恋人や友人なら憎めばそれでおわるのに家族だからおわれない。家族だから言えたり言えなかったりする。似たもの同士が一緒にいることはむつかしい。他人のようで他人じゃない。だって血がつながっている。家族は血でつながっている。少し前にTVでみた『潜水服は蝶の夢を見る』にもでてたマチュー・アマルリックがかっこいい。ああいう眼のぐりぐりしたひと大好き。何度でもみて何度でもかたりたいすてきすぎ映画。
ガーデンプレイスをあとにし歩く歩道の手前でチラシをみていると先程同じ映画をみていたらしいすてきなおばさんに声をかけられてそこから新宿まで一緒に帰る。フランス映画の訳がよくないとか来年フィルムセンターで仏映画特集やるわよとか1日3分シャンソンききなさいとかフランスでの生活のことなどなどつかの間の楽しいひととき。お名前だけ交換してまた映画館でお会いできたらいいですねなんて言ってわかれる。なんだかまたすぐにどこかで会えそうな気がしてだから連絡先なんかきかなくてよかった。声かけてよかったわなんて言われて少しいい気になりながら新宿のブックファーストで時間をつぶそうとすると蛍の光が流れていてそうか今日は土曜だった。
ターミナルで淀川さんの本をぱらぱらと読む。やっぱり今日はあたたかい。