○●観劇めも●○
松田正隆(マレビトの会)『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』@京都芸術センター
18時半から21時半の間で出入り自由、だいたい鑑賞時間は1時間とのことだったので19時前に入り20時頃までいるつもりが好きな場所で好きな役者を好きなだけ眺め途中でつかれたら壁にもたれたり舞台に座ったり自由にすごせる空間がここちよく結局さいごまでいてしまう。役者が動いたり喋りはじめたりすると周りにひとがわらわらと集まりその仕草をじっと見つめ耳をすます。またその様子をべつの場所からべつの鑑賞者たちが遠目に眺める。広島とまったく関係のない台詞。サイレンのあとの山崎まさよし。レネまたはデュラスの『二十四時間の情事』が引用され西山真来さんが路上ライヴを行う。会場に設置された2つのデジタル時計に支配された役者と鑑賞者はいつしかどちらがどちらかわからなくなる、ことはないけどたまに後ろにひとの気配を感じ鑑賞者だと思い見たら役者だったりする。照明がおちたりサイレンが鳴り響いたときなど一瞬にして皆がひとつになるあの感じは忘れがたいなあ。

ロロ『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』@アトリエ劇研
とりあえず、かわいい。なにもかもが、かわいい。言ってることやってることはむちゃくちゃでも、愛があるから成立する。みながHAPPYに、その時間だけでもHAPPYに、なれる時間を構築するってすごいこと。カゲロウが死んじゃうシーンと最後のカノンは心から感動した。(11/2)

ままごと『あゆみ』@精華小劇場
柴幸男てもっとおじさんやおもてたらSっ気たっぷりのすてき青年でどきっとした。   どきっ
役者は全員女子でもう皆さんかわいくてかわいくて衣装も全身白で赤いくつ、たまに黒のトレンカなんてそんなくらっとするような格好で跳んだり跳ねたりアップテンポのお芝居するんだからもうなんかいろいろどうでもよくなっちゃう!皆で大声で台詞を叫ぶどこか卒業式を思い出させる演出(すこしロロとかぶる)はここちよくて脳に穴がぽすぽす空く。そうか演劇は音楽に近くていいのだな。アフタートークもよかった。対談形式ではないほうがままごとを知ってもらえるとおもいました、と、柴氏が早口でぺらぺらと喋りだし、こちらが聞きたいことの8割を聞かせてくれる。のこりの2割は鑑賞者からの質問への誠意の込められた返答で。基本アドリブ禁止、にもかかわらずさむいアドリブをかました役者を皆の前で注意する柴氏、謝る役者。トーク中の彼らのやりとり全てが演技に見えたのはわたしだけではないとおもう。帰りに柴氏の過去の短編作品が収められたDVDを購入。『わが星』はやく見たいたい!(11/3)

三浦 基(地点)『――ところでアルトーさん、』@京都芸術センター
アルトーさんについてもっと勉強しておけばよかったぬ。水の張られた舞台へぼしゃぼしゃと入り役者がアルトーのテキストを読む。その独特のしゃべりをわたしは楽しむことができず、しょっぱなから疲労感。今すぐ逃げ出したいなんてそんな始まって5分でおもうこと、演劇でもあるんだな。ずっしり重く息苦しくしまいには役者のおかしな発声に悪意すらおぼえてしまう。アルトーさんごめんなさい。もっと頭をつかいます。(11/4)

快快『Y時のはなし』@アトリエ劇研
『SHIBAHAMA』以来2度めの快快。『SHIBAHAMA』よりわけがわかりやすかった。なんじゃこりゃ!とおもってそこでやめなくてよかったなあ。そうか快快てきちんとお芝居やったのな。開場からたのしかったりあいふぉんつこてたり小道具がたくさんだったり舞台が独特の色合いだったり観客参加型だったりぜんぶ快快がはじめてで最初は抵抗あったけどもうぜんぜんヘーキ、むしろ心地よい。客席にカメハメハが直撃するわキングコングみたいなのが目の前に座ってるわお尻に挟んだ刃物で野菜を刻みまくるわ舞台すれすれで踊りまくるわで気がぬけない。あたりまえだけど中途半端なぶぶんがひとつもない、たのしくない時間が一瞬もない。どこを切り取ってもたのしくそしてハードなお芝居でした。(11/6)

マームとジプシー『ハロースクール、バイバイ』@アトリエ劇研
ふや町で長居してまうも自転車をとばしとばしぎりぎり開演に間に合うも下手側の最後列に席を用意されてまう。知名度わりとたかめのようでお客さんようけ入ってた。柴幸男のコメントで興味をもったのだけど、なるほど4時間を1時間15分に圧縮するてこういうことか。子供たちの早口なしゃべりをそのまま表現として用いること、ある出来事を何度も何度も角度を変えてしつこく繰り返すこと。しつこいのにはぐらかされる。もう一言あれば確信が持てるのに。だけど肝心な台詞がなくたって伝わるものは伝わる、ぎりぎり伝わってくる、ような気がした、けど、ほんとのところはわからない。だってお芝居だから、うそだから。はーやっぱり演劇は音楽にちかくていいのだな。そして藤田貴大がまた感じのいい好青年でどきっとした。なんだと25歳だと年下ってようなんなのよう! どきっ   (11/12)