トーマス・アルスラン『彼方より』@PLANET+1
レクチャーでは他の作品を断片的に流しながらアルスランの作風を追っていく。わかりやすい。ドイツでもハリウッドに対抗できるのはドイツ製商業映画であり、アルスランをはじめとするベルリン派はその隙間にしか入っていけないそう。あと字幕のはなしとか。劇映画をみた方がブレッソンに傾倒している様がよりよくうかがえるとおもう。(『彼方より』は唯一のドキュメンタリー。トルコ移民2世が撮るトルコははじめてらしい。)オマージュとしてではなく自らがつくりたい映画のために小津をだす。ペーター・ネストラーも気になるところ。あえて中心を撮らずに距離感を出す。外からのまなざし。ドイツとの距離、トルコとの距離、観客との距離、映画との距離。ちなみにアルスランの作品はすべてフィルムで撮られているそう。西洋の監督は「本当はフィルムで撮りたいけど予算の関係で・・」とぼやく日本人に対し「なんで?そんなのおかしいよ!フィルムで撮りたいんなら何が何でも撮るべきだ!」と無茶なことを言い出すらしい。やあやあ、日本は芸術に理解ある国じゃないから・・・
ペドロ・アルモドバル抱擁のかけら
アルモドバル予習しようと思ってツタヤで何本か借りていたのだけど間に合わず(ほんとうは初期の作品が見たいところ)。赤がとってもみずみずしい。映画内映画がなぞであったり助手席にくくりつけられたビデオカメラにぎょっとしたり事故のシーンにびくっとしたりペネロペのくるくるかわる表情にキュン。嫌いじゃない、でもこの無性にスクリーンをナイフで切り刻みたい衝動はなに!