村川拓也『Fools speak while wise men listen』@アトリエ劇研
村川さんの作品を観るのは2年前の夏に上演された『エヴェレットゴーストラインズ』Ver. B「顔」以来。その作品は佐藤真の不在を共有する数名が、彼をめぐる空間や時間について語るというもので、そこで私は噂のボンさんを初めて見た。今回の作品は、日本人と中国人の若者たちによる4つ会話(になっていたりいなかったり)の反復で進められ、各人の発する言葉の言い回しやテンポの変容が相手を興奮させたり冷静にしたりしながらどこまでも緊張感を高めていく。その張り詰めた空気を弛緩させられるぐらいの想像力や優しさを私は持っているだろうか。最後、一列に並び笑顔でお辞儀をする俳優さんたちを見て思わず泣きそうになる。村川さんの作品でこんなの初めて。