雪と事故の影響でバスが動かず観劇の予約をキャンセルしてもらう。とても残念。そんなこともあるさと気を取り直し、予定通り駅近くのシネコンマーティン・スコセッシ『沈黙−サイレンス−』を観る。アンドリュー・ガーフィールドアダム・ドライバー演じる宣教師の顔がどちらも整い過ぎており思わず目を見開いてしまう。シネスコ画面の隅々まで漂う不気味な暮靄や今にも「東映」のロゴが現れそうな波飛沫、時折現れる小動物などが目に優しくバスの疲れがすっかり癒された。『雨月物語』は一度で十分伝わるような。ラスト数十分が批判されているらしく、確かにあの結びは少々むず痒くて変な声が出そうになる。小松菜奈を助けに行ったアダム・ドライバーが呆気なく死んでしまうところ、原作ではどうなっているのかしら(遠い昔に読んですっかり忘れてしまった。)。ほか、主要人物のキャスティング、特に日本人は本当に彼らでよかったのか。キチジロー役の窪塚洋介と通辞役の浅野忠信はまだしも塚本晋也小松菜奈加瀬亮らをうまく受け止められず。個人的に片桐はいりは『シン・ゴジラ』につづき好き。大学の時に観た松村禎三のオペラはもっと重々しくなかったか?篠田正浩版(撮影は宮川一夫)も観てみよう。
生まれて初めてちくわぶを食したのち、帰路につく。