うーん、、巨匠らを越えられてないなんて言ったら怒られるのかなあ、、

チェコアニメ新世代I [DVD]

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ミヒャエル・ハネケファニーゲーム
後味がわるい快感てなんなんだろう。暴力というものを誤魔化さず茶化さず真っ向から描いている大変真面目な作品。リモコンひとつで映画の流れそのものを操作してしまうという粋な演出で、どんでん返しさえもなかったことにされてしまう。『シャイニング』の冒頭、これからはじまる恐怖になぜかすこしわくわくしてしまう、あんな余裕こちらのドライブシーンでは与えてもらえない。不快すぎてジョン・ゾーンはおもわずボリュームを落としてしまった。ジェイソンやレザーフェイスやフレディのような殺人鬼とちがって、このふたり組にはただ殺したいというだけではなく殺すことをぞんぶんにたのしみたいというねじれた欲求がある。殺人という行為に芸術性さえも見出だそうとするかのような彼らの殺しの儀式は誰にも邪魔されることなくたんたんとすすめられる。映画の外でしかできないはずのことさえも映画の中で行われてしまうのだから、最早われわれに許されているのは「ただみる」ことだけである。こういうやり方で暴力を伝えることができるのは映画だけなんだろうかな。笑いにかわる手前ぎりぎりの恐怖だけでこの映画はできている。とにかくまったく笑えない。