のらりくらり上京をつづけてまだ1年たらずなのでやっと入口が見えたぐらいなので早く中に入りたい。陽はとっくに昇りきり、ワンセグ放送別れさせ屋事件を解説している。4時間遅れの到着はまあいいとして、雨にうんざり。クリィミーマミの影響で昼はエビグラタンクレープを。新百合ヶ丘のワーナー系シネコンを見学したのち横浜美術館をめざす。車中、村上春樹パン屋再襲撃』を予習。ふむ!みなとみらい駅から美術館までの道がまぶしい。動く茶色いかたまりはすずめだった。レクチャーホールにてチェルフィッチュ『わたしたちは無傷な別人であるのか?』。チェルフィッチュはいつもいちばん前なので今回は舞台が高かったけどそれでもいちばん前にしたらいちどに全体を視界に入れるのは難しかった。帰りの電車で軽く目を閉じていると隣から同じ体験をしたであろうふたりぐみの会話が聞こえてきたので盗み聞き。たしかに2年前に観た『3月の五日間』『フリータイム』はもっとテンポよく台詞が飛び交い役の交代もスムーズだったように記憶している、だから今回の作品をそのひとたちが退屈だと感じたのはわからないでもないけどわたしは寧ろこれぐらいの方がひとつひとつの台詞や動きをじっくり追えてよかったし、なくなることはないけどぎりぎりのところまで縮めようとされている観客との距離、みたいなもの、言葉のもつ意味の強さ、みたいなものをひしひしと感じられたのもまたしかり。岡田さんと鈴木さんと諏訪さんとで鼎談してほしいなーなんて!むつかしそうだけど
その後、新宿へ出て武蔵野館で『ハート・ロッカー』鑑賞。満席。映画自体はべつにふつう。時間が経てばしょっぱな珈琲を服にこぼしたことしか覚えてないんじゃないかしら。蜘蛛の巣状に埋められた地雷をひっこ抜くところが気持ち悪かった。ていうか助けを求めてパニクってるひとに落ちつくんだ!って銃を向けるってどうなの?米人のノリにはやっぱりついていけない。